総務省「携帯電話ポータルサイト」(正式版)をリリース

2021年4月2日本日、総務省は「携帯電話ポータルサイト」(正式版)を公開しました。

内容としては料金プラン、MNP(電話番号乗換え)、SIMロックと解除方法、端末を買う際のアドバイス、中古端末、格安スマホ / 格安SIM、通信契約のキャンセルなどが図解説明で分かりやすい内容となっています。

「携帯電話ポータルサイト」では「大手携帯会社4社のサービスを利用する方のうち、40%以上の方が月当たり20GB以上のプランを契約していますが、実際に20GB以上を使っている方は約10%しかいないんです。」と呼び掛けており適切な月間データ量とプラン見直しをユーザー自身で調べる方法を説明しています。

携帯電話ポータルサイト

2020年12月に暫定版として公開していた「携帯電話ポータルサイト」をデザインなどを見直した正式版。

2021年4月2日から公開。

総務省 報道資料一覧 携帯電話ポータルサイト(正式版)の公表 URL

総務省「携帯電話ポータルサイト」(正式版)URL

感想と今後

後半はコラム的になっていますが筆者の考えを述べさせてください。

見た感じ分かりやすく説明があり今の料金プランやデータ使用量を調べるのに大手4社キャリアのマイページのリンクを載せているなど「スマホやパソコンが普通に使える方」なら十分に理解できる内容となっています。

ただ冒頭に書いた「40%以上の方が月当たり20GB以上のプランを契約していますが、実際に20GB以上を使っている方は約10%しかいない」についてはちょっとどうかな?って感じますね。

ドコモで言う「ギガホ」などの無制限プランを指していると思われますが、ここで「そうなのか!」と「ギガライト」へ変更したら7GBまでしか高速通信は出来ません。

今はオンライン専用の廉価20GBプランが3大キャリアからリリースされて総務省に沿ったプランがありますがデメリットもありITリテラシーに強くないとデメリットとメリットが比較しにくいのが現状だと思います。

複雑な料金訴求のイメージとして各種の割引の適応後の「最安値」が表示されている部分は良くないと同意しますが、その各種割引によって「ギガライト」よりも「ギガホ」の方が場合によっては安い事があるのも事実です。

「Q1今の料金プランは本当にあなたに合っていますか?」の「別の携帯会社に切り替える」でMVNOの紹介は良いと思います。

「MVNOブランド」としてIIJmio、イオンモバイル、OCNモバイルONE、BIGLOBEmobile、mineoのロゴが紹介されています。

「Q3端末を変えずに乗り換える?」で「SIMロックと解除方法について」まとめているのは良いですね。

ただ、キャリアから購入したスマートフォン(iPhone、Google Pixelを除く;総務省が名指しで機種名は言えないですしね)は自社バンドにしか対応していないのが多いです。

最後の方に「③ SIMロック解除端末の対応周波数について」でちゃんと書いてありますがバンドについてどれだけの方が理解出来るかは難しいと感じました。

総務省の方でこのページに各キャリア必須のバンドを載せても良かったのではと思います。(載ってはいますがリンクを2回踏む必要があります、そのまま載せた方が分かりやすいと感じます)

「SIMロックを解除しても、乗換先の携帯会社が提供している周波数帯に対応していない場合には電波に繋がりにくくなったり利用できなくなる場合がありますので、注意しましょう」の文面にはもどかしさを感じます。

全体的には分かりやすくまとまっているので「ある程度のイメージ」は掴みやすいと感じました。

各種リンクが張ってあるのも良いと思います。

筆者としては日本の月間データ通信量の8割が7GB以下である点を考慮して10GB以下のプランの見直しをやって欲しかったとずっと思っています。

3大キャリアの「段階制」の料金プラン(ドコモで言う「ギガライト」)などですね。

1GBまでのストッパーが出来て1GB未満であれば安く使う事も可能ですが1GB~7GBの使い勝手は悪いです。

特に7GB以上20GB未満だと現状最適なプランが存在せずオンライン専用の廉価20GBプランに入った方が安い。

まぁその辺りをMVNO、サブブランドなどが補っているので大手キャリアが簡単に安いプランを出すのは難しいでしょう。

特に需要が多い1GB~10GBのプランはMVNOの新プランには多い。

MVNOも20GB以上の容量の大きなプランは訴求しにくく1GB~10GBにかじ取りをしたものと思います。


最近あった「アハモフック」にあるような携帯業界の仕組みを是正していく方が先では無いかと考えています。

ドコモの「ahamo(アハモ)」はオンライン専用プランで店頭では申し込みが出来ません。
しかし出張販売(商業施設のイベントスペースや商店街の場所を借りて店を出す)で話題になっているアハモのポスターで客を引き付けて最終的に「ギガホ」などの契約を取る事を目的にしている行為。(例としてahamoに乗り換えるには一度「ギガホ」に契約した方がスムーズですよなどと誘導)

携帯業界の仕組みは複雑です。

どこに行っても大手キャリアのお店は見かけますよね?

ほとんどのキャリアの店舗は「代理店」です。その上に大きな「代理店」があり一番上にキャリアがあります。 直営店もありますが極少数です。

大手キャリアが「オンライン専用」「法人契約不可」「キャリアメール無し」「家族割無し」でオンライン専用の廉価20GBプランを出して来たのはこの様なハードルを上げる事で「一番の収益になる無制限プラン」を売りたいと考えているはずです。

代理店は契約数によってインセンティブがあり今回の様な「アハモフック」が起こる訳です。

代理店は可哀そうだと思いますが、そろそろこの様な仕組みが通用しなくなってきたとも考えられます。

筆者はオンライン専用の廉価20GBプランはキャリアから見たら「それほど大きくない」と考えていますが代理店から見たら「脅威」そのものです。

代理店の方も人間なのでお客に合ったプランを提示したいはずですが「方針が無制限プランの獲得」なので無制限プラン獲得のために「心を削っている」と思います。

昔のガラケー時代だと新規獲得は簡単でしたが、現在のスマホ時代ではほとんどの人が携帯端末を持っているので他社からの奪い合いになっています。

新規だと中学生や高校生が当てはまりますが友人たちのネットワーク(口コミ)によりオンライン専用の廉価20GBプランにどんどん流れて行くでしょう。(またはサブブランドやMVNO)

ちょっと前まであった高価なスマートフォンが0円で購入とかは今は出来ずに値引き上限が2万円と定められているので「物で釣る」事も出来ません。

この様な仕組みを考えると携帯業界も転換期に入って来たと考えます。