キャリアメールを乗り換え後も使えるように 総務省が要請

携帯電話のメールアドレス(いわゆるキャリアメール)をMNP(電話番号をそのままで他の通信会社へ乗り換える事)などで乗り換えた後も利用者がそのまま使えるように総務省が業界に要請しているとの事です。

現状は電話番号をそのまま使えるようにMNPがあり、転出後も同じ電話番号が使用できます。 しかしメールアドレスは引継ぎが出来ません。

総務省の考えはメールアドレスもMNPと同じように出来る仕組みを要請しているという事ですね。

携帯電話で取得したメールアドレスを仕事などで使っていると簡単にはMNPも出来なく別の通信会社へ移る際のためらう要員の1つとされています。

 

キャリアメールのMNP化

総務省としては携帯電話の料金を引き下げるために色々施策を打ち出してきています。

今回のはキャリアメールのMNP化を進めて競争を活性化して料金値下げに繋げたいのでしょう。

また総務省は来週にも競争促進に向けた政策を取りまとめており、それらを発表する見通しです。

eSIM(物理的なSIMカードを持たないスマートフォンなどに内蔵されたチップに契約者情報を記録する)の導入も求めています。

 

今回のキャリアメールのMNP化は筆者は大賛成ですが、どのような仕組みにするのかが気になりますね。

かなり昔になりますが、オンラインでのショッピングなどに登録するメールアドレスは「プロバイダメール」に限られている事が多かったのを記憶しています。

当時はインターネットが普及したばかりであり、ネットで簡単に作れるフリーメールは信用度が低かったですね。

プロバイダメール>キャリアメール>フリーメールと言った感じでしょうか? (キャリアメールはドメインの許可など迷惑メール対策で面倒でもありましたが)

プロバイダメールとはその名の通りなのですが家にネット回線を引くとインターネットに繋いでくれるプロバイダと契約する必要があります。

その時に付与されるのがプロバイダメールです。

しかし現在ではスマートフォンの普及に伴いフリーメールでも登録できることが多くなっています。

GmailなどはAndroidスマートフォンを使う上で必要不可欠なので一気にフリーメールも信用度が上がった気がします。

 

キャリアメールのMNP化で仕組みを考えると出て来るのが「メールの転送」です。

ドコモのメールアドレスを保持したままauに移った場合にドコモからauへメールを転送する仕組みですが、ドコモ、au、ソフトバンクによる転送用のサーバーを設置することになるでしょう。

もう一つは月額300円ほどのメールアドレスの保持になります。

しかし今回の総務省の考えは競争の活性化による料金の値下げなのでメール転送の方が現実的です。

 

eSIMも3大キャリアは積極的ではありません。

気軽にオンラインで完結するeSIMですが気軽に他社へ移られると困るのでしょうが、この辺りも総務省は導入を求めています。

せっかくiPhoneなどに搭載されているeSIMですが格安SIMのIIJmioと楽天モバイルぐらいしか現状ありません。

スマートウォッチに使うなどの利用はありますが、スマートフォンでの扱いは3大キャリアでは無いです。

 

感想まとめ

以前コラムで書いたのですが、総務省が携帯電話料金の値下げの一環で携帯電話やスマートフォンの安売りを止めさせた経緯があります。

昔は「iPhone 0円」とか良くありましたが今は上限が2万円(3Gからの乗り換えではこの上限はありません)に決められており、今ではスマートフォンの買い替えが3年から4年に伸びています。

1台10万を超えるのも珍しく無くなったスマートフォンですが気軽に買い換えは出来ないのが現状ですよね。

総務省の方向性に「?」がついた筆者でしたが今回のキャリアメールの引継ぎとeSIMの導入の求めは大賛成ですね。

これらが導入されたらどれほどの利用者が恩恵を受けるかと聞かれると少数だと思います。

筆者の状態だとキャリアメールは保持していますがすべてを違うメールアドレスで登録を変更しています。 同じような方は多いでしょう。

「遅かった」と思えるキャリアメールの引継ぎですが自由度が増すので使い勝手が良くなるのは間違いないです。

eSIMについては使っていないので何とも言えないですがこちらも自由度が増えるのとiPhoneを例に出すとiPhoneはeSIM+物理SIMの構成になっていてキャリアを使っていると物理SIMが埋まってしまうのでeSIMしか残ってない状態になります。

キャリアがeSIMを導入してくれると物理SIMに「空き」が出来ます。

その空いた物理SIMに格安SIMなどを契約したらキャリアの通信料を少なく出来ます。 つまり安いプランに変更できますよね。

これにより月々の通信料を安く済ませる事が出来ます。

これは現在SIMフリースマートフォンを使っている筆者のやり方ですが2枚の物理SIMが使えるスマートフォンはキャリアでは存在しないのでSIMフリースマートフォンを購入して1枚はドコモ、2枚目は格安SIMでデータ専用にして使用しています。

なのでiPhoneをメイン機に出来ないのですよね。

総務省の方向性はキャリアメールの引継ぎとeSIMの導入のような整備から埋めて行って欲しいものです。