総務省がMNPガイドラインを発表 手数料無料、引止め禁止

総務省が11月2日に携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドラインの改正案を公表しました。

アクションプランに続いて公表したのはMNP(番号ポータビリティ)に絞った内容です。

アクションプランにもあった「番号持ち運び制度(MNP)の利用環境の整備」についての正式な改定案になります。

ガイドラインの運用は2021年4月1日から行う予定。

その前に2020年12月8日まで意見を求めるとの事です。

 

目次

携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドラインの改正案

総務省、携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドラインの改正案に対する意見募集。

参照 URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban06_02000082.html

 

内容

ネットからの場合

 

電話や店頭からの場合

 

これを見ただけではわかりにくい点もあるかと思いますので要点を抜粋します。

 

利用者負担料金等

MNP(番号ポータビリティ)以下MNPとします。

MNP利用者が負担する料金の額は、無料とする事

ただし、これはインターネットを使用してMNPの手続きをした場合で電話や店頭でのMNPの手続きは、千円以下の額に消費税額を加算した額がかかります。

ネットで出来ない方は多いと思います。 お店や電話でのMNPだと千円以下の額に消費税額を加算した額がかかる事だけ覚えておきましょう。

 

利用手続

番号ポータビリティに係る利用手続の画面は、ウェブサイトの階層の浅い場所に設置する等、利用したい者が容易にアクセスできるように努めること。

インターネットで手続きをしたくても「探せなかったり」「小さい字で書いてある」など「わかりにくい」を無くすための措置です。

料金プランを見ても「家族割」や「光回線の申し込みセット」の場合の安い料金が大きく載っていたりするのと同じです。

上の文言からするとトップページに近い場所にMNPの案内などがあり、利用者が分かりやすい配慮が必要になる訳です。

 

インターネット等による番号ポータビリティに係る利用手続及びその画面表示は、高齢者の理解の容易さという観点も含めて分かりやすく簡便なものとなるよう努めること。

ショップで何でも「はい」と言ってしまうお年寄りを守る為だと思われますが、そんな方がネットで完結出来るかは不安でもあります。

しかし、分かりやすくなるのは喜ばしい事でしょう。

 

インターネット等を利用する方法による番号ポータビリティに係る申込みの受付時間は、原則として終日とすること。

インターネットを使ってMNP手続きをする場合24時間利用可能な訳です。

 

引き止め行為の禁止

移転元事業者は、番号ポータビリティに係る利用手続において、番号ポータビリティの利用について明確な意思を表示した利用者及びイに規定するMNP手続検討中の利用者に対する一切の引き止め行為を行わないこと。

移転元事業者(今まで使っていた通信事業者)

自社若しくは他社の料金プランの紹介又はクーポンの提供等の利益の提供その他の利用者の他の電気通信事業者への転出を引き止めることを目的として携帯電話事業者が行う行為をいう。

今までだと電話などでMNP番号をお願いすると「もしよろしければ〇〇ポイントお付けしますので考え直して欲しい」とか「今、残ってもらえたら新しいスマートフォンの割引クーポンを〇万円分差し上げます」などありましたが、一切引止めは出来なくなります。

これは利用者からすればちょっと損になるかもですね。

 

番号ポータビリティ予約番号取得までの所要時間

移転元事業者は、利用者が番号ポータビリティ予約番号を取得するまでの所要時間について、利用者に対して不必要に長期間要すると認識させることがないようその表示方法や運用方法を工夫すること。

これは分かりにくいですね。

つまりMNPをお願いすると「MNPは現在2時間ほど処理に時間がかかりますがよろしいでしょうか?」など時間がかかるように思わせて利用者に諦めさせると言った事は出来なくなるという事です。

 

転入時に求められる番号ポータビリティ予約番号の有効期間

移転先事業者は、番号ポータビリティ予約番号の有効期間について、転入時に一定以上の長さを求めている場合には、当該期間の設定が合理的なものであると利用者が理解できるよう表示方法や運用方法を工夫すること。

移転先事業者(これからMNPをして移る通信事業者)

これは番号ポータビリティ予約番号には有効期限があります、有効期限が切れているのは論外ですが〇日以上期限が残って無いとダメですよと言われる場合があるのですよね。

こんな時にダメな理由をちゃんと利用者に説明しなければならいと言う事です。

 

その他

番号ポータビリティに係る利用手続の全てをワンストップで完了できる方式(いわゆる「ワンストップ方式」)についても引き続き検討すること。

例えばドコモからauへMNPする場合。
ドコモにMNP番号を発行してもらう。→auでMNP番号使って契約をして完了します。
これをauだけで手続きが完了する方式になります。 この方が便利ですよね。
ただし現時点では検討だけの様です。
キャリアはやりたくないでしょうね。
当然反対しています。

キャリアの言い分を載せると「違約金が発生した」「別回線の料金が高くなった」など利用者に不利益になる説明が出来ないのでトラブルになる。

確かに一理あります。

 

感想

MNP料金が無料はインターネットに限った話だともう一度言っておきます。

電話やお店では料金が発生します。 と言っても1,000円が上限なのでそれほど痛手では無いかもですが。

分かりやすさに重点を置いているのは良いですね。

途中にも書きましたが料金プランなどは「すべての割引対象になった料金を大きく載せている」のは本当にやめて欲しいです。

なんでお客が料金プランを見ながら電卓で逆算して本当の料金を調べなければいけないのか、悪意を感じます。

大事な条件を物凄く小さい文字で書くとかもやめて欲しいですね。

MNPを分かりやすくトップページから案内があればネットに弱い方も出来るようになるかもですね。

高齢者の方にも配慮するようにとなっているので料金プランのような書き方はしないでしょう。

ネットで24時間対応出来るのなら嬉しい限りですが、ネットすらやらない方で相談相手も居ない方は逆に気の毒とも感じます。

 

引止め禁止はちょっと残念かもですね。

MNPをチラつかせて美味しい事は出来なくなります。

 

番号ポータビリティ予約番号取得までの所要時間や有効期間についても良いですね。

これも引止めの一種なので無くなって欲しいですね。時間の無駄ですし。

 

ワンストップ方式は検討なので実現は難しい気がします。

キャリアの言い分も分かりますしトラブルは避けたいでしょう。(本音は簡単にMNPして欲しくないのでしょうが)

それこそネットで分かりやすく不利益になる情報がわかるように載せておけば良いだけですから。

myドコモとかに縛り期間の表示や各種割引の表示と割引の価格などを載せておけば良いだけです。

「機種ご利用期間」みたいに〇年〇月まで違約金が〇〇円かかりますとか、光回線でいくら割り引いてますとか、家族割でいくら割り引いていますとかこのような不透明な割引こそ一覧にして分かりやすくして欲しいですね。

MNPのページにも電話番号を入力したら「これだけ不利益がありますよ」って一覧で教えてくれれば良いだけです。

お店で直接MNPする方にはドコモからauならau側が「ドコモに電話してお客様の不利益が無いように確認してください」って電話で解決だと考えます。

しかしあの手この手で「お客様に不利益が~、トラブルが~」ってなって実現するのは、まだ先な気がします。

 

総じて先ずは第一歩と言ったところでしょうか。